文字の装飾

文字の装飾の必要性

静止画(画像)や動画(映像)を扱う時、写真、絵、映像単体で、素材のみを表示するということは滅多になく、文字を入れて情報を補足する場合がほとんどです。

いわば文字は脇役なのです。

逆に、印刷物の場合は、逆に文字が主役で、静止画で文章を補足することが多いです。

今回は、文字が脇役の場合の、文字の装飾について書きます。

素材に文字を入れる際、まずフォントを選びます。フォント選びについては、こちらの記事を

次に、文字の色を決めます。

文字が脇役の場合、文字の色は基本的に黒か白を選びます。ただ、単色(塗り1色のみ)にすると、主役である素材(文字の背景)に負けてしまい、可読性が低くなります。

文字装飾無しの場合

そこで、可読性を高めるために、文字に装飾を入れてやる必要性が出てきます。

よく使う文字の装飾

縁取り

これは、文字の塗りに線を加えることで縁取りしてやる方法です。

縁の太さを変えたり、さらに縁取りを加えたりして、背景に紛れずに文字が読めるように調整します。単純な方法ですが、これだけでかなり可読性が高くなります。

文字の縁取り

ドロップシャドウ

これは、文字に影を付ける方法です。

基本的に、文字の右下に影ができるように設定します。文字が塗りのみの単色の場合でもドロップシャドウを付けることで、可読性が高くなります。

背景に合わせて、影の距離や大きさ、ぼかし具合等を調整します。縁取りと合わせて使用することもあります。

文字のドロップシャドウ

光彩(外側)

これは、文字の周りに光や影を付ける方法です。

縁取りの応用編といったもので、文字の周りにぼんやりと色を付けます。イメージとしては、文字専用の背景といった感じ。

文字が単色の場合に使用すると、文字自体がぼやけてしまい可読性が低くなるので、縁取りと合わせて使用することが多いです。

文字の光彩(外側)

静止画の場合

静止画を加工する際、用途に合わせてIllustratorかPhotoshopを使用しています。

Illustrator

Illustratorで文字の縁取りをする場合、テキストを選択し、アピアランスパネルで作業します。そこで新規線を追加ボタンで線を追加し、色や太さを調整します。

ここでポイントなのが、線を追加した後に塗りを上にしてやることです。こうすることで文字が潰れることがなくなります。

ドロップシャドウと光彩(外側)は、アピアランスパネルで新規効果を追加ボタンを押すか、上の効果メニューから選択します。

Photoshop

Photoshopの場合、縁取り・ドロップシャドウ・光彩(外側)は、テキストレイヤーを選択したうえで、レイヤーパネルの下にあるfxボタンを押して選択するか、テキストレイヤーのレイヤー名をダブルクリックすることで効果を追加することができます。

おすすめは、レイヤー名をダブルクリック。レイヤースタイルウィンドウが開くので、ここで一気に調整することができます。

動画の場合

動画を加工する場合、Premiere ProかAfter Effectsを使用しているのですが、基本的にPremiere Proを使い、After Effectsでしかできない加工をする場合のみAfter Effectsを使用しています。

文字の装飾に関しては、Premiere Proの方が加工しやすく、特にテキストアニメーションを使う必要がある場合のみAfter Effectsを使用しています。

Premiere Pro

Premiere Proで文字の装飾をする場合、静止タイトルでテキストを入力・選択し、タイトルのプロパティパネルで作業します。

縁取りは、ストローク(外側)で太さや色、不透明度を変更することができ、また、何重にも線を増やすことができます。

ドロップシャドウは、影の角度を135°にして、色、不透明度、距離、サイズ、スプレッドの数値を指定します。

光彩(外側)は、影の角度を0°(ここの数値は任意です)、距離を0.0にして、サイズを大きく指定することで表現します。

After Effects

After Effectsでテキストの縁取りをする場合、テキストを入力し、テキストレイヤーを選択した状態で文字パネルを操作します。

After Effectsでは、縁(線)は一重にしかできません。(テキストレイヤーを下に重ねることで表現できますが、少々面倒)

ドロップシャドウは、テキストレイヤーに遠近-ドロップシャドウのエフェクトをかけます。

光彩(外側)は、テキストレイヤーに遠近-放射状シャドウのエフェクトをかけ、光源をテキストの中心に指定することで表現します。

動画の場合の注意点

動画の場合、静止画と違って文字の背景が動くので、背景にかかわらず可読性を保つために、線の幅や色合い、ドロップシャドウや光彩の不透明度を、静止画の場合よりも強めに指定してやる必要があります。

また、動きの中で文字を出したり消したりすることになるので、0秒で表示非表示すると不自然になる場合があります。そこで、文字の表示非表示に10~20フレーム(1/3秒~2/3秒)かけることで、背景の動画に文字を馴染ませることができるとともに、動きを付けることで、文字に注目させることができます。

まとめ

静止画と動画と問わず、文字を読んでもらう必要がある場合には、可読性を高めるために文字を装飾していくことになりますが、文字が脇役の場合は、シンプルかつ可読性のある文字の装飾を心がけたいところです。